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2026年7月22日水曜日

中途入社者の1年足らずでの離職増加

 「中途の早期離職 企業損失4割増」
(日本経済新聞 2026年7月23日付 朝刊)

中途採用の社員が1年足らずで離職してしまうことで企業のコストが増加していることを報じる記事です。

500万円台の年収で採用した場合、企業の損失は1人当たり607万円で、2020年時点から約4割も増えたそうです。 

中途採用したミドル人材の早期離職も増加傾向とのこと。

入社後のミスマッチを防ぐため、欧米では一般的なリファレンスチェックやバックグラウンドチェックをすることが日本の企業でも増えているそうです。 

デジタル記事はこちら
中途社員の早期離職、損失607万円 賃上げや採用コスト拡大で4割増
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB302XH0Q6A630C2000000/ 

離職の理由についてのデータはこの記事には載っていませんでした。

参考までに以下の厚労省の資料で中途採用者が前職を辞めた理由を確認してみます。

厚生労働省(2023).「令和4年雇用動向調査結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf 

これによると、男性は「その他の個人的理由」(19.6%)と「その他の理由(出向等を含む)」(14.7%)を除くと「定年・契約期間の満了」(15.2%)が最多。
次いで「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(9.1%)、「職場の人間関係が好ましくなかった」(8.3%)となっています。

女性は 「その他の個人的理由」(25.0%)を除くと「定年・契約期間の満了」(10.9%)が最多。次いで「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(10.8%)でした。
「職場の人間関係が好ましくなかった」は10.4%で、女性の方が人間関係のストレスから退職することが若干多いことが伺えます。

人間関係が理由で能力ある社員が辞めてしまうのはもったいないことです。心理的安全性が高くハラスメントが起きない職場づくりは、今後も重要な企業のテーマであり続けると思われます。

2026年4月7日火曜日

通勤時間とメンタルヘルスの関係

通勤「44分」がメンタルヘルスの分岐点 
それ以上は苦痛、それ以下は息抜き効果 
共働き労働者500人以上を調査 米国チームが研究発表

(IT Media News)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2604/07/news018.html

通勤時間(片道)と労働者のメンタルヘルスの関係に関するアメリカの研究について紹介する記事です。

調査対象者はアメリカの「共働き異性カップルのフルタイム労働者568人」です。

「通勤時間が約44分に達するまでは、時間が長くなるにつれて心理的苦痛が減少し、44分を超えると逆に苦痛が増加に転じた。」とのことです。

通勤時間が短すぎるよりも適度にあった方がリフレッシュになりますが、通勤時間が長すぎると今度はメンタルヘルスを悪化させるということです。
当然と言えば当然の結果ですが、通勤時間がメンタルヘルスに及ぼす影響が可視化されていて興味深い内容です。
日本でも同様の調査結果になりそうです。

 




2026年3月1日日曜日

特別休暇制度、および年休取得率についての課題

企業の休暇制度ちぐはぐ
(日本経済新聞 2026年2月2日)

病気治療やリスキリングのための「特別休暇制度」(法律では定められておらず企業が任意に設定する法定外休暇)を導入する企業が増えているけれども、まだまだ十分とは言えないことを海外のデータとの比較や、専門家の意見を紹介しながら示されている記事です。 

オンライン記事はこちら
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO94137060R00C26A2TL5000/

 法定外休暇の代表は「病気休暇」で近年導入する企業が増えていますが、勤務先にこの制度があると答えた人は41.9%だったそうです(厚労省2024年調査)。

日本の有給取得率は63%(エクスペディア社2024年調査)で、11カ国・地域中最下位でした。

年休は急な用事のために残しておきたいという理由から残す方が多いそうですが、
これに対して佐藤博樹氏(東大名誉教授)は、年休はリフレッシュして労働意欲や効率を高めることが目的なので年休とは別の休暇を設定することが大切とおっしゃっています。

日本の職場は個人の判断で休暇取得することをためらう人が多いという日本ならではの特徴も休暇制度を考える上でポイントであることも勉強になりました。 

特別休暇に関する企業の取り組み事例としては、日本たばこ産業(JT)、サンリオ、丸井グループの制度が紹介されていて参考になります。 

 

2026年2月12日木曜日

勤務間インターバル制度の義務付けに関する議論

働き方改革の現在地(2) 深夜に終業、出社は何時?
(日本経済新聞 2026年2月12日)

勤務間インターバル制度の義務付けについて厚労省の労働政策審議会で議論が行われていることを紹介する記事です。
勤務間インターバル制度は、終業から始業まで一定の休息時間を確保するものです。
日本では努力義務にとどまっていますが、これを罰則付きの義務化にするなどの議論が行われているとのことです。

オンライン記事はこちら
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO94356200S6A210C2NN1000/


概要:
・導入企業(ベアレン醸造所(盛岡市のクラフトビールメーカー))では、メンタルヘルスの改善や家族と過ごす時間の増加といったポジティブな効果が出ている。

・日本における現状
 英仏独など)では原則11時間と法律で義務化されている。
 日本では現在は努力義務。導入率は6.9%(2025年1月時点)にとどまる。とりわけ中小企業での普及が課題。

・義務化に向けた議論
 厚生労働省の研究会や労働組合側は、過労死防止の観点から法規制の強化(義務化)を提言している。
 一方、経営側は災害やトラブル時の対応を考慮し、柔軟な制度にすべきという意見が多い。


勤務間インターバルが短いと睡眠時間が減少しますので、心身の健康問題に大きな影響を与えます。
労使双方にとって納得のいく制度になるよう議論が重ねられることを期待します。 

 

2026年1月13日火曜日

ウェルビーイングとエンゲージメントの関係

 幸福度高い人は主体的に行動
(日本経済新聞 2026年1月13日)
 

日経によるウェルビーイングに関する調査結果を報じる記事です。

「ウェルビーイング」は個人の主観的な、そして持続的な幸福感を指す言葉ですが、従業員のウェルビーイングを向上することの重要性が徐々に企業にも認識され始めているそうです。

第3回「日経統合ウェルビーイング調査」(2025年)によれば、ウェルビーイングと仕事へのエンゲージメントは相関があり、ウェルビーイング実感が高い人の方が、会社への貢献実感や今の会社で働き続けたい気持ちが高い、といった関係が見られました。

また、どの設問がウェルビーイング実感に最も寄与しているか分析すると、上位10項目中4項目が「仕事とプライベートの関係性が良い状態にある」(1位)などの「健康安全」に関するものが占めたといいます。

前年の調査よりも「従業員がより個人の生活に向き合う姿勢を強めている実態もうかがえる」とのことですが、今後もこの傾向は続きそうです。

従業員がウェルビーイングを追求することを阻害しない会社が生き残りやすい世の中になっていくのかもしれません。

2026年1月9日金曜日

「働きたい改革」の論点は残業規制緩和ではない

政界Zoom 「働きたい改革」が問うものは? 高市政権の課題探る
(日本経済新聞 2026年1月9日 夕刊)

高市首相の「働きたい改革」における課題について論じる記事です。

 デジタル版はこちら
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO93660890Z00C26A1EAC000/

 

「働きたい改革」の論点は、働きたい人が長時間働けるように残業規制を緩和することそのものではなく、労働生産性を高めることであるはずだという主張は、とても納得のいくものでした。

記事内のデータ

  •  日本は、長時間労働(週49時間以上)の就業者の割合が15%で、G7中で最も高い。
  • にもかかわらず、一人当たりの労働生産性は、日本はOECD加盟国38カ国中、29位。

 

2026年1月2日金曜日

「アルコール使用障害」の疑い300万人と依然多い

 アルコール障害 300万人
(日本経済新聞 2026年1月3日)

「アルコール使用障害」が疑われる人の数が日本では依然として多いことを報じる記事です。

デジタル版はこちら
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO93541080S6A100C2CM0000/

2024年は推計300万人。人口に占める割合は男性5.4%、女性0.8%であり、
これらは2018年調査と同水準です。(国立病院機構久里浜医療センター調査)

また、飲酒頻度は、男性では「1週間に4回以上」と「全く飲まない」に二極化しているとのこと。

アルコールの問題はプレゼンティーイズムやメンタルヘルスのリスクを高めますので、非常に重要な問題です。

2025年12月1日月曜日

女子の自殺者数が初めて男子を上回る

悪化する若者の心の健康 女子で顕著、各国の課題に
(日本経済新聞 2025年12月1日 朝刊)

20歳未満の女子の自殺者数が大きく増加し、初めて男子を上回ったことを報じる記事です。


概要:
2024年の厚労省による自殺者の集計
・20歳未満の女子・・・430人(10年前から2.6倍)
・同、男子・・・370人(10年前から横ばい)

日本だけでなく、イギリスやオーストリアの縦断調査でも、女子の抑うつ症状の悪化が見られる。

女子が悪化している要因
・伝統的な性役割の期待と学業関連のプレッシャーが二重に負担になっている
・ネットやソーシャルメディアの影響
・セクハラ・性暴力
・身体への不満、外見の理想化
・思春期の早期化

「その国の文化的背景を踏まえ、何が改善できる要因なのかを検証することが効果的な予防策につながる」。
そこで近年、若者と研究を進める「コ・プロダクション(co-production、共同創造)」の姿勢が重視されている。

オンライン記事はこちら
「悪化する若者の心の健康 女子で顕著、各国の課題に 成田瑞・国立精神・神経医療研究センター室長」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92909360Q5A131C2CK8000/

2025年11月30日日曜日

心の不調による損失7兆円以上

 こころの不調 経済に霧
(日本経済新聞 2025年11月30日)

 メンタル不調による経済損失が増加傾向にあることを示す記事です。

概要: 

データ

  • 心の不調による経済損失は年7.6兆円(日本のGDPの1%強に相当)
  • その内訳は、欠勤が3,000億円、本来のパフォーマンスを発揮できないことによる損失が7.3兆円(横浜市大の論文による) 
  • 精神疾患の医療費は1兆円(横浜市大の論文による) 
  • 気分障害の外来患者数は156万6,000人(2023年)で、20年前の約2倍 

オンライン記事はこちら
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92907390Q5A131C2MM8000/

 

ちなみに精神疾患の外来患者数は576万人(2023年)です。
メンタルヘルスの問題は生産性の低下だけでなく、自殺や引きこもりなど長期的な問題とも繋がっていますので、社会全体で取り組み続ける必要があると改めて感じます。

 

2025年10月30日木曜日

令和6年 労働安全衛生調査 発表

令和6年 労働安全衛生調査
(厚生労働省、2025年8月発表)

労働安全衛生に関する厚労省による調査結果が8月に発表されました。
事業所へのアンケートと、個人へのアンケート結果の2つに分けて報告されています。

 「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r06-46-50b.html

個人調査では、「強い不安、悩み、ストレスと感じる事柄がある」労働者の割合は68.3%で、令和5年調査の82.7%から大きく減少しています。
これは驚くべき減少です。
しかしこれは、設問のあり方が変化したためのようです。

厚労省のHPでは以下のように説明されています。

個人調査の「仕事や職業生活に関するストレスの状況」の設問について、趣旨明確化の観点から以下のとおり令和5年の設問から一部形式変更したため、数値の比較には留意が必要である。
①  設問文の「強い不安、悩み、ストレス(以下「ストレス」といいます。)」の「強い」を太字下線として「強い不安、悩み、ストレス(以下「強いストレス」といいます。)」に変更し、「該当するものがない場合は、「11強いストレスと感じる事柄がない」を選んでください。」の文言を追記
②  選択肢の「ストレスと感じる事柄がある・ない」に「強い」を追記し、「強いストレスを感じる事柄がある・ない」に変更
設問の仕方でこれだけ変わるんですね。

 


 

自傷行為を行う若者の増加

自傷の若者、救急搬送が急増 (日本経済新聞 2026年7月25日付朝刊) 薬の過量服用(オーバードーズ)をはじめとした自傷行為を行う若者が増えていることを報じる記事です。 とりわけ女性のメンタルヘルスの悪化が世界的な傾向とのことです。 記事には、自傷行為についての誤解の例の一つと...