2026年7月24日金曜日

自傷行為を行う若者の増加

自傷の若者、救急搬送が急増
(日本経済新聞 2026年7月25日付朝刊)

薬の過量服用(オーバードーズ)をはじめとした自傷行為を行う若者が増えていることを報じる記事です。

とりわけ女性のメンタルヘルスの悪化が世界的な傾向とのことです。

記事には、自傷行為についての誤解の例の一つとして「自傷行為は注目を引くためにやっている」が挙げられていました。
実際は「つらい感情を和らげるために、一人きりで誰にも相談せず行うことも多い」と解説されています。
背景には学業の重圧やSNSによるルッキズムの影響もあるようです。 

デジタル版はこちら
自傷・自殺未遂で救急搬送、若い女性が増加 精神科と連携して命守る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD066NA0W6A700C2000000/

企業の中では自傷行為が問題となるケースは頻繁ではありませんが、発生しうるものです。
上記のような誤解があると、「なぜそんなことをしたの?」、「そんなことをしても何も解決しないよ」といった言葉掛けが生じやすく、本人をさらに追い詰めてしまいやすいです。本人の自傷行為を知った上司や同僚、人事担当者が「他言しないでほしい」と言われて問題を抱え込んでしまうケースも見られます。 
会社としては、メンタルヘルスに関する管理職研修を実施したり、相談体制を構築しておくことが重要です。

2026年7月22日水曜日

中途入社者の1年足らずでの離職増加

 「中途の早期離職 企業損失4割増」
(日本経済新聞 2026年7月23日付 朝刊)

中途採用の社員が1年足らずで離職してしまうことで企業のコストが増加していることを報じる記事です。

500万円台の年収で採用した場合、企業の損失は1人当たり607万円で、2020年時点から約4割も増えたそうです。 

中途採用したミドル人材の早期離職も増加傾向とのこと。

入社後のミスマッチを防ぐため、欧米では一般的なリファレンスチェックやバックグラウンドチェックをすることが日本の企業でも増えているそうです。 

デジタル記事はこちら
中途社員の早期離職、損失607万円 賃上げや採用コスト拡大で4割増
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB302XH0Q6A630C2000000/ 

離職の理由についてのデータはこの記事には載っていませんでした。

参考までに以下の厚労省の資料で中途採用者が前職を辞めた理由を確認してみます。

厚生労働省(2023).「令和4年雇用動向調査結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf 

これによると、男性は「その他の個人的理由」(19.6%)と「その他の理由(出向等を含む)」(14.7%)を除くと「定年・契約期間の満了」(15.2%)が最多。
次いで「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(9.1%)、「職場の人間関係が好ましくなかった」(8.3%)となっています。

女性は 「その他の個人的理由」(25.0%)を除くと「定年・契約期間の満了」(10.9%)が最多。次いで「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(10.8%)でした。
「職場の人間関係が好ましくなかった」は10.4%で、女性の方が人間関係のストレスから退職することが若干多いことが伺えます。

人間関係が理由で能力ある社員が辞めてしまうのはもったいないことです。心理的安全性が高くハラスメントが起きない職場づくりは、今後も重要な企業のテーマであり続けると思われます。

2026年5月31日日曜日

不眠障害治療補助アプリ、6月から保険適用開始

不眠障害治療補助アプリが保険適用、2026改定で追加された「認知行動療法」とのすみ分けは 
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t359/202605/593192.html

 

2026年6月より、不眠障害に対して、専用のアプリによる補助的な治療の保険適用が開始されることを紹介している記事です。

「「薬物治療を実施していない」「精神疾患に罹患していない」「軽症から中等症」などの条件がつく」とのことです。

薬物療法を使うほどではない不眠には効果がありそうですが、
正しく使わないと効果が得られないといった声も聞きます。
今後、効果が検証されていくことが期待されます。

 

2026年4月30日木曜日

2026年のメンタルヘルスの動向予測

2026年の職場のメンタルヘルスの動向と懸念されるリスクや課題について、アメリカのメンタルヘルス関連のサイトが予測をしていましたので、一部をご紹介します。(意訳を含みます)

"8 Mental Health Trends for 2026 and What They Mean for Your Workplace" 
Spring Health(H.Goethe 著. 2025年11月6日付)
https://www.springhealth.com/blog/2026-mental-health-trends-for-your-workplace 

1. 常時接続型・継続的ケアが期待されるようになる
単発的なケアやカウンセリングではなく、継続的なケアが求められるようになる。

2. 従業員がメンタルヘルス支援のAIを活用することが増える
利便性は高いが、一方で、個人情報保護、誤情報の扱い、臨床上の安全性の問題などの深刻なリスクも増加。 

3. AIが職場における最大のストレス要因になる
雇用の安定性や、変化する期待に応えられるかどうかといった不安などが高まる。

4. メンタルヘルスを損なうことなくコストを抑制するサービスが一層求められるようになる、測定可能な成果をもたらすソリューションへの投資が鍵となる。

5. メンタル不調者の休職の増加
安全な職場復帰支援プログラムを構築することが重要になる。

 

日本でも人材を守り生産性を維持するために、企業がメンタルヘルス対策に投資することの重要性が増していくと考えられます。 

 

2026年4月7日火曜日

通勤時間とメンタルヘルスの関係

通勤「44分」がメンタルヘルスの分岐点 
それ以上は苦痛、それ以下は息抜き効果 
共働き労働者500人以上を調査 米国チームが研究発表

(IT Media News)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2604/07/news018.html

通勤時間(片道)と労働者のメンタルヘルスの関係に関するアメリカの研究について紹介する記事です。

調査対象者はアメリカの「共働き異性カップルのフルタイム労働者568人」です。

「通勤時間が約44分に達するまでは、時間が長くなるにつれて心理的苦痛が減少し、44分を超えると逆に苦痛が増加に転じた。」とのことです。

通勤時間が短すぎるよりも適度にあった方がリフレッシュになりますが、通勤時間が長すぎると今度はメンタルヘルスを悪化させるということです。
当然と言えば当然の結果ですが、通勤時間がメンタルヘルスに及ぼす影響が可視化されていて興味深い内容です。
日本でも同様の調査結果になりそうです。

 




2026年3月31日火曜日

2026年4月1日「改正労働施策総合推進法」 一部施行

2026年(令和8年)4月1日より、「改正労働施策総合推進法」 の一部が施行されました。

4月1日に施行されたのは以下の3つ。

【女性活躍の推進】(女性活躍推進法)
・「①男女間賃金差異及び女性管理職比率の情報公表を、常時雇用する労働者の数が101人以上の一般事業主及び特定事業主に義務付ける。」
・「⑥特定事業主行動計画に係る手続の効率化を図る。」

【治療と仕事の両立支援の推進】(労働施策総合推進法)
「事業主に対し、職場における治療と就業の両立を促進するため必要な措置を講じる努力義務を課すとともに、当該措置の適切・有効な実施を図るための指針の根拠規定を整備する。 」


引用文献:
令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について

https://www.mhlw.go.jp/content/001502748.pdf

 

 

2026年3月1日日曜日

特別休暇制度、および年休取得率についての課題

企業の休暇制度ちぐはぐ
(日本経済新聞 2026年2月2日)

病気治療やリスキリングのための「特別休暇制度」(法律では定められておらず企業が任意に設定する法定外休暇)を導入する企業が増えているけれども、まだまだ十分とは言えないことを海外のデータとの比較や、専門家の意見を紹介しながら示されている記事です。 

オンライン記事はこちら
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO94137060R00C26A2TL5000/

 法定外休暇の代表は「病気休暇」で近年導入する企業が増えていますが、勤務先にこの制度があると答えた人は41.9%だったそうです(厚労省2024年調査)。

日本の有給取得率は63%(エクスペディア社2024年調査)で、11カ国・地域中最下位でした。

年休は急な用事のために残しておきたいという理由から残す方が多いそうですが、
これに対して佐藤博樹氏(東大名誉教授)は、年休はリフレッシュして労働意欲や効率を高めることが目的なので年休とは別の休暇を設定することが大切とおっしゃっています。

日本の職場は個人の判断で休暇取得することをためらう人が多いという日本ならではの特徴も休暇制度を考える上でポイントであることも勉強になりました。 

特別休暇に関する企業の取り組み事例としては、日本たばこ産業(JT)、サンリオ、丸井グループの制度が紹介されていて参考になります。 

 

自傷行為を行う若者の増加

自傷の若者、救急搬送が急増 (日本経済新聞 2026年7月25日付朝刊) 薬の過量服用(オーバードーズ)をはじめとした自傷行為を行う若者が増えていることを報じる記事です。 とりわけ女性のメンタルヘルスの悪化が世界的な傾向とのことです。 記事には、自傷行為についての誤解の例の一つと...